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ビットコイン以外にはどんな仮想通貨があるの?

急速に発展するフィンテックと呼ばれる金融に関するテクノロジーが近年注目を浴びています。その中で代表的なのが仮想通貨で、円やドルなどの実在する通貨と引けを取らないほどの広まりを見せています。ビットコインはその中でも早くから注目され、世界中のリスクマネーをひきつけ、未だに価格の上昇を続けています。バブルなどとも言われ現在買い控えする人も一定数います。ここではビットコイン以外の仮想通貨について紹介し、今後の投資対象としてどのコインが適切なのかについてご説明します。

■アルトコインとは

アルトコインは、英語では「Alternative Coin」と表記し、ビットコインに代わる(Alternative)仮想通貨の総称として使われています。世界中には約700種類ものアルトコインが存在すると言われ、イーサリアムやリップルなどすでに多くの投資家の注目を浴び、一定の価値が存在すると言われるものから、新しく発行されても買い手がつかず投資家から資金を巻き上げるゴミのようなコインもあります。

◇アルトコインが誕生した背景

ビットコインは世界で最大の流通量を誇る仮想通貨ですが、いくつかの弱点を内包しています。

1.マイニングコストの上昇

仮想通貨の取引では、ブロックチェーンと呼ばれる世界で共通の通帳に全ての取引を書き込むことで成立しています。このブロックチェーンは、ビットコインの場合10分に一度生成され、容量にすると1 MB、 約3000の取引履歴(Transaction)を書き込むことができます。ビットコインが開発された当初は、利用者数も少なく取引自体もさほど多くなかったので、これで十分でしたが、現在のように世界中にユーザーを持つような環境においては、要領不足は否めません。このブロックチェーンは、前に発行されたものの最後の数値から次のブロックチェーンとつながる暗号が受け渡されるのですが、それ自体は莫大な量のコンピューターを使って計算することによってでしか終えることができません。またブロックチェーンのハッシュを解くと報酬としてビットコインがマイナーに支払われるのですが、支払われるのは一番最初に解いたマイナーだけです。従って世界中でマイニングが大規模に行われるようになると、このビットコインをあてにしていたマイナーはなかなか報酬としてのビットコイン受け取りづらくなります。そこで新たに仮想通貨を発行し、自分たちに有利な条件でマイニングを進めることで資産を増やそうと考えるマイナー集団も出てきました。このためビットコインは分裂し、新しい仮想通貨を産むことになるのです。

2.新たな仮想通貨の値上がりの風潮

現在の仮想通貨の認知度の拡大により、世界中のリスクマネーが仮想通貨に流入しています。これは日本やアメリカなど通貨の価値が一定していて、インフレーションしている国々では考えられないことですが、中央銀行の通貨統制力が弱く度々インフレを起こしてしまう通貨も発展途上国では数多くあります。その点仮想通貨では、中央銀行を持たないものの相互に取引を監視するシステムが構築されていることから、現実世界で起きているような急激なインフレーションは起きにくいと考え、資産の一部を仮想通貨に変える動きも多く見られます。こういった資金流入が続く状況においては、新しくアルトコインを発行し価値を利用者に認めさせることができれば簡単に多くの資金を手に入れることはできます。したがって既存の仮想通貨ではなく新しいものを発行することによって、儲かることができるため多くのアルトコインが誕生しています。

◇ビットコインとの違い

従ってアルトコインとビットコインの違いは、ブロックチェーンの生成速度であり、ブロックチェーンの要量であります。ハードフォークの元にされた通貨のソースコードは残っているものの、一部改変されたものがアルトコインであると言えます。

■国内で扱っているコインの説明

◇イーサリアム

イーサリアムは世界で2番目の流通量を誇る仮想通貨です。その大きな特徴はスマートコントラクトと呼ばれる、ブロックチェーン上に契約や約束事を書き込むことができる機能に由来します。

◇ビットコインキャッシュ

2017年8月に誕生した新しい仮想通貨です。 ビットコインからハードフォークして誕生しています。主な特徴としては、ブロック中の容量が従来のビットコインの8倍となりより多くの取引を書き込むことができるようになりました。

■ハードフォークって?

ハードフォークとは、簡単に言ってしまうと仮想通貨の仕様変更です。このハードフォークは、現在ビットコインが抱える大きな弱点の一つであるスケーラビリティの向上を目的として実施されています。
スケーラビリティとは、システムの利用者がそのシステムに対して自由にアクセスし利用しやすさを評価したものです。従ってビットコインを運用するブロックチェーンのシステムにもスケーラビリティが求められます。 当然の資産価値を伴ったものなので、相互の取引が正確に行われたことを示すこと、決済が行われてから台帳に書き込まれまでの時間、などが主要項目として挙げられます。一方で前述したように、ビットコインのブロックチェーンは10分ごとに生成され約3000の取引しか記載することできません。これでは全ての取引を円滑に進めるという仮想通貨本来の理念を果たすことができていません。従ってこれらを解決するために、ビットコインからその仕様を変更して新たな仮想通貨を誕生させる ハードフォークが盛んに行われています。具体的にはブロックチェーンの生成速度を短縮することであったり、ブロックチェーン自体の容量を大きくしたりするなどの手法が実施されています。これによりアルトコインは新しく誕生することになります。

■おすすめするアルトコインは何?

現在注目が集まっているのは、スマートコントラクトを実装しているイーサリアムです。イーサリアムは仮想通貨としての取引の簡易化のみならず、公証役場などが担保している契約の履行の確実性の担保などをネットワーク上で解決する可能性に満ちています。従って投機目的でリスクマネーが流れ込むだけでなく、多くの企業がこれを利用した新たなビジネスの可能性を模索しています。従って今後もその価格の上昇が見込まれます。

■アルトコインとビットコインの関係性

ビットコインに流入していた資金がアルトコインに流れ込み、2017年はアルトコインにとって飛躍の年になりました。従って、ビットコインの脆弱性が解決されるまではアルトコインにも資金流入の可能性が見込め、その部分だけ価格が上昇する可能性があります。

■まとめ

新たな取引所などで取引が開始されると急激に価格が上昇する可能性があるのがアルトコインです。しかし上がり幅が大きいということは下がり幅も大きいということです。投資に際しては、リスクに対する自らの許容量を常に認識しましょう。くれぐれも投資は自己責任でお願いします。